りょうすけ

エレニの旅のりょうすけのレビュー・感想・評価

エレニの旅(2004年製作の映画)
3.8
「エレニの旅」

テオ・アンゲロプロスによる20世紀を題材にした作品群の1作目。2作目は「エレニの帰郷」だが、アンゲロプロスが3作目の完成前に事故で亡くなったため未完のシリーズとなってしまった。
ロシア革命で孤児となった少女エレニの第二次世界大戦終戦後くらいまでの人生が描かれる本作。固定カメラによる長回しであったり、神話をモチーフとした構成だったりとアンゲロプロスらしさは全開なのだが、他の作品に比べても物語に救いがない。
歴史に詳しくないと、何故そうなったのかというところまで理解することはできないが、エレニの周りで起きることは、殆どが不条理としか言いようのないような出来事ばかり。不条理を淡々と3時間弱も見せられるのだからこちらもかなり参ってしまう。
細部までは理解できなかったけど、大筋がかなりストレートだなとは思った。ロシア革命から第二次世界大戦という比較的題材になりやすい時代を描いた作品で、細かいことを知らなくても大まかには楽しめるようになっていたので、アンゲロプロス入門の作品としてはいいのかもしれない。
りょうすけ

りょうすけ