エレニの旅の作品情報・感想・評価

「エレニの旅」に投稿された感想・評価

Sumrain

Sumrainの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

ギリシャ近代史に翻弄された女性たちの群像を、エレニ=ギリシャの擬人化に託して描いた叙事詩的な傑作長編。悲しげな調べに乗って現れる様々なイメージはどれも美しくも寂しげである。最後のエレニの叫び声こそ、この映画が伝えたかった事柄のすべてであろう。
レナ

レナの感想・評価

5.0
孤児・難民としてのエレニが、じいさんとの結婚を拒否して恋人であるその息子と駆け落ちし、密かに出産した彼との子供もそのせいで隠れて会うことしかできず、やっと家族一緒になれたと思ったら故郷の街が浸水、そのうちに世界大戦、内戦によって再び離散が訪れ、更なる悲劇がエレニを襲う…。

なんだこれ、悲惨すぎる…。上記を書いていて引いた。
悲惨すぎてこれを好きとただ言うには気が引けるけど、それほどにも美しい悲劇だったのだ。

『アンダーグラウンド』や『さらば、わが愛』等を観た時の感覚と似ていて、時代に翻弄されるエレニを描くことでギリシャの叙事詩的な作品になっている。そして長回しで映される数々の美しく象徴的な場面によって、また徹底的に悲劇であることによって、神話的でさえある。
水の上を彷徨う場面が繰り返され、どこに行っても難民でありどこにも行けないエレニの宿命が示される。その海や河のはじまりが涙だったなんて、それだけで完璧な映画世界だと感銘してしまった。

音楽という希望だけが存在する。夫はアコーディオン奏者で、アメリカという希望にも辿り着くことができたし、また終始不幸なエレニの物語で楽しげだったのが音楽家の溜まり場のシーンと組合の宴会のシーンだった。歌という民族の文化、他者から奪われないものを希望として選んだのもすごく分かるなと思った。

そもそも3時間近くと長いし、ギリシャの歴史を知らない為に映画内で起きたことを理解できなかったり、おっさん達の顔の識別が難しかったりと、観るのが辛くなかった訳ではない。が、完全に分からなくても静かな波に乗みこまれて、気付いたらエンドロールを迎えた。

しかし、こんな悲劇なのに3部作(3部目が監督の死によって幻になってしまったのは大変に残念だ…)って、どうなってるんだ…。エレニが気の毒すぎて観るのが怖いけど、必ず観る。
liverbird

liverbirdの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

長回し、長尺ズームインアウト、フレームの外の使い方が素晴らしい〜
そしてずっと使わないクロースアップを最後に決める、すごく効果的だなあ〜
Eleni Karaindrou の音楽も素晴らしい
2020年 25本目

アンゲロプロス監督作品。
私には少し、、、難しい。感じるのは確かに名作のソレ。
ただ、解説を見ると多少なりとも作品の奥行きが伺える。

孤児のエレニ。時代に翻弄され続けるも「生きること」を否定しない。
片時ほどの幸せすらない。掴める希望も無い。

度々の描写でギリシャ神話を思わせるシーンがあったとか。
勉強不足でした。いつか再鑑賞しよう。
PI

PIの感想・評価

3.8
冒頭から印象的なシーンの連続。
そして、一つ一つとても丁寧に描かれてましたね。
映像とエレニの表情から寒さがひしひしと伝わってくる作品でした。
久々に見たけど、これもアンゲロプロス作品ではかなり上位に来る作品のように思える。

というか幻想的な長回しのシーンがこれでもかと連続し、時には複数のシーンをも1カットで撮ってしまうものだから非常に印象深く、何度見ても画面に釘付けとなる。(その魅力はおそらく特徴的な音楽の使い方によるところも大きいのだろう)

実はテオ・アンゲロプロスの作品ってインパクトに欠けるものも結構あったのだけれど、それは一番最初に見たこの作品の世界観と画面が特段良かったからなのかもと省みてしまう。

しかし色々長回しの映画をこれまで見てきたけれど、ここまで独特かつ神秘的なものってのは他にタルコフスキー作品のいくつかくらいしか思いつかないから、やはりアンゲロプロスってのは映画界において貴重な存在だったんだなと改めて思い知る。
lag

lagの感想・評価

4.0
追われ続ける。水面。水滴の空。草木の緑の無い村。淡い青。酒場と巡業。雨と鏡。何度も名前を呼ぶ。羊の木。手で汚す。うなされてうわごと。知らずになんの関係のない戦争を演じる。水に浸かる。そんな気力もない。私は強くない。

聞こえてくる音。アコーディオンの曲。いずれまた、音楽の集まるところに。
希望のキの字もない、the悲劇。デケェとかキレェとかヤベェとかスゲェとか言っている間に、物語はずんずん悲惨な方向へ。
第二次大戦下のギリシャが舞台だが、歴史的背景についてのご丁寧な説明は全くないので、事前勉強は必須だった。そしてやっぱりそんなの全くせずに観始めてしまったので、よくわからないうちに殺されたり殺したり投獄されたりで、泣き叫んで終了した。
しかしそんなことより、本当にでかいのよ、セットが。本当に綺麗なのよ、映像が。本当にやばいのよ、カメラワークが。本当に凄いのよ、アンゲロプロスは。それだけでじゅうぶんなのよ。

この大作、DVDの映像がなんか古めかしいというか、とりあえず2004年製作と聞いても信じられない。2004年なんて、シュレック2ぐらいしかみてなかったよオレは
ヨーダ

ヨーダの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

最後のドアだけシーンで人生の虚しさが表現されきってる。

また観たいけど、もう観たくない。
相変わらずゲキエモ何だけど疲れすぎててミリも内容を追えなかった
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