ありんこ

息子のありんこのレビュー・感想・評価

息子(1991年製作の映画)
5.0
今であれば、聾者であっても義理の父親に対する気持ちは長男妻と変わらないだろうという話まで踏み込むのだろうが、時代は1991年。この時代、ここまで踏み込んだことにありがとうと言いたい。
皆がそれぞれ全力で生きている。その気持ちよさがある。


狭いアパートで、ベッドからたびたび起き上がり、手のかかっていた末の息子が幸せになることの喜びを隠しきれないお父ちゃん。このシーンがなんともたまらない。


作品を見るうちに、あ、このシーン覚えてると、昔見たことを思い出した。
作品名を見ても見たことは思い出せなかったのに、やはり見たのが子どもの頃でも名作と呼ばれる作品は、記憶のどこかにそのかけらを残しているのだと、そう思った。