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灼熱の魂の440のレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
5.0
文句なしの満点案件。

生涯ベストに入るクオリティ。
この作品にマイナス箇所は見つからない。
メッセージ性も余韻も素晴らしい。
こういう作品はでかいスクリーンで映画の世界へずっぽり入り込みたい。
ヴィルヌーヴ作品の中でも1番のお気に入り作品かも。

母を亡くした双子の姉弟。
ちょっと変わったお母さんは謎めいた遺言を残していた。
2人が知らない父と兄へ手紙を渡す事。
手がかりが全く無いため、姉のジャンヌは母の故郷であるレバノンへと向かう。

オープニングからもうセンス良すぎて引き込まれた。
娘ジャンヌが捜索する現代パートと母ナワルが生きてきた激動の時代を描いた過去パートが交互に描かれ、探究心と衝撃を同時に味わう演出も見事すぎてテレビの前から身動きできなかった。

特に母ナワルの人生がヤバすぎて、よく生きてたなと思ってしまうレベル。
想像のかなり上をいく壮絶さ。
ヒッチハイクしたバスでの衝撃的な展開。
そしてその後に流れるレディオヘッドがほんと鳥肌立ちまくってまだ前半なのに涙が溢れた。
またバスをバックに横顔を撮る画がインパクトありすぎて絶望感を食らった。

弟も合流した後半からも衝撃に次ぐ衝撃展開。
こんな運命ある?
どんでん返しとかっていうレベルを超えた結末に言葉を失った。
前半の伏線も効いてるし気を抜ける瞬間がひと時も無い2時間11分。
ドキュメンタリーのようなリアリティを全編通して感じ、とても作り物とは思えない徹底した演出。

こんな作品作る監督がDUNE撮ってるんだもんな。
面白いはずだよ。

憎しみと恨みを断ち切るための方法。
1+1が2にならない理由。
こんな作品観せられちゃったら震えが止まらないよ。
また時間を置いて絶対に鑑賞します。
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