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ションベン・ライダーのmanamiのレビュー・感想・評価

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)
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数日前に観た作品でワンカット撮影に目が慣れちゃってたのか、今作冒頭8分間の長回しにしばらく気付かず。校庭あたりでハッとなって、リスタートしました。
そして「相米慎二監督の3作目であり、永瀬正敏と河合美智子のデビュー作であり、坂上忍も映画はこれが初出演らしい。」って前情報ありで観てたのに、「なかなか河合美智子出てこないけど?」→「えー!プールサイドの勇ましい子とサスペンダーの子、同一人物?気付かなかったー!」で、またビックリ。
ジョジョ、ブルース、辞書は中学生のようだけど、演じてる3人も実年齢に近いのかな?にしては暴力、銃、タバコ、酒、薬物、殺人、放火と、だいぶ過激。今これを作るのは無理だろうね。
夏休みを持て余した子ども達がいじめっ子に仕返しせんがために、誘拐犯からその同級生を取り返すというトリッキーな大筋に、ヤクザやら警察官やら教師やらが絡んでくる。
何の説明もなく画面に現れるだけの不気味な人物もいるし、思わせぶりカメラワークからの事件発生からの正座歯磨きという唐突すぎる展開もあるし、何が何やら誰が誰やら置いていかれがち。
途中で何回か挟まれる字幕は何?サブタイトルのような、誰かの独り言のような。「夏休み初めての旅行・・・・横浜だって旅行ナノダ!文句、アル・・・・⁈」LINE界隈で言われる「おじさん構文」ならぬ「80年代構文」といったところか。切り替え時に現れるその画面が、カオスな物語が転がり過ぎないよう中盤あたりまでエンジンブレーキをかけている印象。
なんだかよく分からない川岸みたいな場所で、画面の右へ右へひたすら移動していく場面も圧巻ね。それにしてもプールに銭湯に海に川に放水、濡れるシーンが多いけど、その上に長回しってさぞかし撮影が大変だったろうなぁ。あとブルースが服のままびしょ濡れになるたびに胸元が心配になってしまうよ。
公開当時は『うる星やつらオンリー・ユー』が同時上映だったらしい。なんちゅー組み合わせだ笑

84
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