このレビューはネタバレを含みます
とってもキュートだけどどこか陰がありある朝ふっといなくなってしまいそうなアナと、喪失感に押しつぶされそうなオリヴァーと、全てを悟っているけど言葉に出せない犬、アーサーの関係性が静かで優しい音楽と父との思い出と共に穏やかに時間を過ごすしんみりした映画だった。
母が亡くなりゲイとカミングアウトした父が仲間に囲まれ、恋人と過ごし、ラストシーンで「ファック!」と叫びながら昼間から花火をするあたりが1番開放的で弾けていた。
でもなんやかんやオリヴァーも壁に落書きしたりスケート靴のまま帰ってきたり色々楽しいことしてた。
オリヴァーはうずくまり悲しみを享受するシーンが多々あったので、父の恋人アンディに抱きしめられた時思わず泣いてしまったシーンでもらい泣きした。
個人的に自分の境遇と重なる部分が多々あり思い出して切なくなった。監督が父を亡くした後に撮った映画だそうなのでそのあたりのリアルさもひとしお。
うまくいかないだろうなぁと思いながら過ごすので結局うまくいかないこともたくさんあるけど、この先どうなるかわからない、試していこう。そんなお話。