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イリュージョニストのnanaのレビュー・感想・評価

イリュージョニスト(2010年製作の映画)
4.6
静謐な饒舌とはよく言ったもので、
セル画の細かさとぬくもりに包まれながらも、しとしとと降り続ける雨に惨めに打たれ続ける感覚。様々な感情が押し寄せては絡め取られて消えてゆく

台詞は疎らで声量もかなり控えめ、字幕効いてない所もちょくちょくあるし何なら無しでもほぼ関係なし

ひたすらに不神経で無遠慮で身勝手な家出娘…苦労人かつ諦めモードの主人公と対極的にも自由で夢見がちで暇な姿にストレスが溜まっていくけども、
彼女が教養のない純粋そのままなため、悪意なしに受けている恩恵の大きさとその意味を理解しない
恨みきれないやるせなさが募る
現実、ほんとこうなのよねと苦虫を噛み潰したような顔になってしまう

オープニングでまぁ無惨な姿で始まるとき、成功物語なのかと知らずに想像してしまうくらいには現代のエンタメに毒されているなと反省
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