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霊幻道士のmitakosamaのレビュー・感想・評価

霊幻道士(1985年製作の映画)
3.8
昔は来々キョンシーズとかもあって凄い楽しく見てた記憶がある。今作は香港のサモハンキンポーの流れをくむオリジンの第1段。やっぱりキョンシーという映画を大きくイメージつけたのは今作よね。
この後シリーズ化していくが、やはり今作が一番面白い。キョンシーというキャラクター性の強い妖怪を明確に作り出した功績は偉大だ。キョンシーの定義もシリーズ毎に変化してイメージがコロコロ変わるが今作の在り方が一番しっくりくる。

主人公の繋がり眉毛親父ガオ導師(ラム・チェンイン)は幽霊妖怪全般を相手できる能力者で、別にキョンシーの専門家じゃないんだけど、やっぱりキョンシーが楽しいんだよ。

時代背景は特に設定されていないようだが、中華民国か、人民共和国の初期辺りだろうか?遺体の格好は清王朝の衣装だもんな。
ガオ導師は富豪から墓に眠る遺体の在り方の相談を受ける。遺体がキョンシーにならぬように預かるが、馬鹿な弟子2人のせいでキョンシー化。大概の香港映画の弟子は大馬鹿だ。
そのキョンシーの殺された富豪もキョンシー化してしまう。
富豪の娘がヒロインとなるが、馬鹿弟子2人と警察の隊長もヒロインにお熱。

警察に捕まった導師を含め、暴れ出した富豪のキョンシーを制御するため必死で取り押さえる。有能なガオ導師を、束縛させ不自由な状態にしているのがハラハラ感を煽り上手い。

更に弟子の1人は美人幽霊にも取り憑かれる。これはあくまで悪霊。

最終的にキョンシーの超強いやつが襲撃してくる。
やっぱりキョンシーの在り方は今作のパターンが好きだ。基本的に死体であり感情はない。お札を剥がしたら凶暴だが、貼っていれば制御出来る。息を止めると気付かれない。人間の攻撃がまるで通じなく、倒してもピョンと起き上がる…。こういう設定が全てコミカルなアクションに直結している。面白くなる要素が凝縮されているキャラクターなんだよね。今作以降の付加価値が一切いらない完成度の高さ。
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