Gan

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-のGanのレビュー・感想・評価

4.5
大きなテーマのひとつに、「手放すという愛の形」を見る。
途中までは、映像美と音楽でやり切る月並みなラブロマンスかと思って半分で見ていたが、終盤から目を見張った。
エンゾを海に還してから、作品のオーラが確実に変わる。中盤までの有情、恋愛、喪失が収斂し、衝撃のカタルシスを持ってドラマが終わる。文字通り、魂の浄化。リュック・ベッソンが磨き上げた(本作は複数のパターンがある)極地に、鳥肌が立ち、ため息が出た。似た手ざわりに、オールタイムベスト映画のイントゥ・ザ・ワイルドを思い出す。あの宮崎駿に「最近見た映画の中で、半端じゃなかった」と言わしめるほど。
彼は作中でも言われたように、人間では無かったのかもしれない。前世はイルカ確定。
特にジャックが気が触れたベッドのシーン(天井が海になっていく)は生涯忘れない。セットを反転して作ったのか、、?それともCG、、?

「行きなさい。私の愛を見てきて」

ロザンナ・アークエット、最初はそんなだったのにどんどん可愛くなっていってビビる。本当に恋する乙女のようで。

適当に生きる訳にはいかない。

あと、ジャック・マイヨール実在するんやね。
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