ぽち

ブロンテ姉妹のぽちのレビュー・感想・評価

ブロンテ姉妹(1979年製作の映画)
1.6
全編フランス語ってのがすごい違和感。

あまりに詩的表現が多く、今作を観ただけでは大きな流れを拾う事しかできない作品。
三姉妹についての知識があるのを前提に作っているのが個人的ポリシー「映画はそれ単体で完結するべきもの」に反していて、今一つ。

だいたいフランスではこの姉妹の事を知っているのが常識というほど有名なのだろうか?一通り姉妹の人生を知っていないとついて行くのが大変。

弟がいきなりコロッと逝った後、ほとんど感情的な描写なしに姉妹2人続けてコロ、コロって逝っちゃうし、馬車の中で膝に手を置いた描写だけで次のシーンではもう結婚してるし・・・

雰囲気重視なのだろうが、あまりに飛ばし過ぎで感情移入はほとんどできないし、盛り上がりの無い平坦なストーリーに見えてしまう。
全編重厚な描き方だが、これもやりすぎな感がある。

例えば中国の杜甫・李白・白楽天 などの伝記を日本人俳優を使い日本語で撮ったという感じで、フィクション臭がすごい強くなる。

気取ってお高くとまっているけど、上辺だけで中身の薄い作品だろう。


余談。
三姉妹+弟の四人で空想に耽り最初に物語を作ったのが長女が9歳頃の事。
これ、三人姉妹のキャピキャピした明るい物語で作ったら楽しい作品になると思うだけどな・・・・

全員短命だったのでそこまで描くと暗くなっちゃうから、世間に女性であることを公表するあたりまでかな。

だいたい今作でこの美味しいシーケンスもほとんど盛り上げ無く描かれていたけど、もったいない・・・
あの態度の悪いドアマン?や出版会社社長が「ごめんなさい」する場面で盛り上げるべきだろ。

って言うか、長男の不倫相手の人妻、もうちょっとどうにかならなかったのか?妖艶な美魔女じゃなきゃ長男の自暴自棄ってのが成立しないだろ。
ぽち

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