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新・仁義の墓場のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)
4.0
   石松陸夫(岸谷五朗)は沢田一家総長・沢田忍(山城新伍)の命を助けたことから、直若として盃を受ける。
ある日、内縁の妻・智恵子(有森也実)に店を持たせる為に申し出た借金の話がもつれ、銃で沢田に怪我を負わせる。
組織や警察に追われる身となった陸夫は逃亡生活の中でヘロインに溺れ、自分を匿ってくれていた兄弟分・今村(美木良介)をも殺害してしまう。
智恵子と共に逃避行を始めた石松は、セックス&ヘロインに溺れながら逃げ続けるものの、ヘロインの打ち過ぎで智恵子が死んでからの石松は、自らの死を願うように、沢田組に乗り込む。
1975年に深作欣二監督が映画化した藤田五郎の小説「仁義の墓場」を、新たな着想で三池崇史監督が再度映画化した作品。 
深作版との一番の違いは、石松が沢田の親分に銃を向けた理由が明解なこと。
沢田の親分を撃ち沢田組に追われることになった石松は兄弟分の今井の下に身を寄せた後の常軌を逸した甘えっぷり、今井所有のカジノで豪遊して今井所有の外人パブのホステスとらんちき騒ぎ、石松と智恵子が坂道を転がるように破滅していく道行きを、「今井所有のマンションから警官隊に乱射 」「腐った牛乳飲んでゲロまみれで脱走」そして「ドラム缶一杯の血糊を使った血の滝ダイブ」で締めるというホラー映画顔負けの壮絶な展開で描いた傑作バイオレンス映画。
ゴリゴリのパンチパーマをあてヤクネタヤクザ石松を演じ切った岸谷五郎の熱演、有森成美のこわれっぷりが、印象的。
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