このレビューはネタバレを含みます
公開時、たまたまアメリカにいて映画館に観に行ったけど、チケットが売り切れで観られなかったある意味思い出の映画。それなのに20年以上経って初めて鑑賞。才能がありながら精神を病んで苦しむ実在の悲劇の天才を描いた映画というと『シャイン』が頭にあり、あの作品が世評ほど好きになれなかったのも影響していたかも。
が、観始めてみたら引き込まれた。
ラッセル・クロウ演じる主人公のジョン・ナッシュは紛れもない数学の天才だが、変わり者ではあるものの、必ずしも浮世離れした仙人のような人ではなく、寧ろ才能に見合った評価が欲しくて、名誉が欲しくてたまらない人物（発症した精神病の原因の一つも、望む評価を得られていないという不満だったという説もある）。
あまり魅力的に描かれているとはいえない。
しかし、当初ナッシュの視点で進む物語のために、徐々に違和感を感じつつも現実だと思っていた人やことがすべて彼の妄想だったと判明したときの驚き、その後の苦労や妻のアリシアの献身的な支えのドラマチックさに見入ってしまう。
アリシアを演じたジェニファー・コネリーが綺麗。
か、最後のノーベル賞授賞式のシーンでは、老けメイクで誰だかわからなくなっていたのがちょっと残念。面影は残すようなメイクにしてほしかったなあ…。
