なちゅん

ビューティフル・マインドのなちゅんのレビュー・感想・評価

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
4.2
苦しかっただろうなあ。
認められないことも、そうと知らずに恐ろしい幻覚の中で生きるのも、心を開いていた唯一無二の親友が幻覚だったことも、どんなに苦しかっただろう。
暗闇の中で、アリシアが唯一の救いであり光だったんだろう。それをわかっているからこそアリシアも苦しかっただろうなあ。

統合失調症が寛解するなんて知らなかった。どれだけの精神力と周りのサポートが必要になるのか、考えただけでも気が遠くなりそう。彼の理論がノーベル賞をとっていること以上に、彼の存在そのものが間違いなく誰かにとっての光だろうと思う。
それだけに、ジョン・ナッシュとアリシアの最期は悲しいな。いや、最期まで一緒にいられたことは奇跡かもしれない。

ラッセル・クロウの演技がとにかく素晴らしい。常に怯えているような表情が印象的で、諦めたような微笑みが哀しげで切ない。グラディエーターとかジュベール警部みたいな筋骨隆々だったり恰幅が良かったりっていう役のイメージが大きいので、この作品は逆にインパクトがあった。
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