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狗神のtheocatsのレビュー・感想・評価

狗神(2001年製作の映画)
2.6
深刻味が伝わらない呪われた家系の悲哀悲劇

原田監督らしいマルチ視点と起伏を作ることに腐心したような編集のおかげか映像的な平板さは回避。
多少せわしない感じはあったが、その分視覚的な凸凹変化がもたらされ飽きは来なかった。

ストーリー的には横溝正史:犬神家の一族的な結構おどろおどろしいものなんだけれど、そこはオカルトともホラーとも断言しかねる「軽量」さが漂う。
ダークミステリーでさえなく、「田舎の旧家にありがちな困った因習・迷信物語」といったところが適切か。※ラストクライマックスの悲惨なクライム劇さえどこか軽い。

というわけで知的・感情的には振れ幅が少ない、要はそれほど面白味のない内容ではあった。
とはいえ、俳優の演技はそれぞれ結構味わいと見所があったとも感じていて、主演二人、天海祐希と渡部篤郎は勿論、その他助演陣にも不満は全くない。

やはりストーリーが、というか原作がもしかしたら凡庸だったのかなぁー?・・・と思ったりもするが、読んでみないことにはそう断言できるものではない。

個人的に好きな俳優である渡部篤郎の割合まともな役を見れたことがちょっとうれしくなったので(笑)002111
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