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ロスト・チルドレンのAZのレビュー・感想・評価

ロスト・チルドレン(1995年製作の映画)
3.4
世界観は面白いのだが、内容がわかりづらくちょっとついていけない部分があった。説明もほぼないし、映画のストーリー解説を読んでやっと全体像を理解した感じ。近未来という設定もストーリーを抽象的にしている要因だと思う。

主人公であるワンの知能が低い為、セリフが断片的でなかなか頭に入ってこない。設定も結構ぶっ飛んでいて、普通の思考では理解できない。子供の夢がポイントなのだが、特に理屈はなく感覚で理解しなければならない。

各キャラクターのポジションや関係性もわかりにくかった。ただ、ヒロインの少女ミエットが、子供ながらかなりセクシーで美人。ジュディット・ヴィッテという方で、今は女優業をしてないようだが、彼女の姿だけでもみる価値はあるかも。退廃的で暗い世界観なのだが、彼女の存在は輝いている。

世界観も個性的だが配役も個性的。ジャン=ピエール・ジュネ監督お決まりの役者さん達もちらほら。主人公のワンはロン・パールマンが演じている。ロン・パールマンってこんなにマッチョだったのね。重要人物である博士役はドミニク・ピノン。彼の姿は一度見たら忘れられないだろう。

ストーリーはわかりにくかったが、この作品は理屈で見るものではなく、絵本のように直感で見る(感じる)作品なのだと思う。印象的なシーンが多く、心に残る作品ではあった。
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