「サクリファイス」の撮影現場で格闘するタルコフスキー監督のドキュメンタリー。
家が燃えるシーンの撮影が失敗。
妥協を許さず、家を建て直して、2回目の撮影に臨む。
そこまでのこだわりを突き通せる監督に上り詰めるには、どれだけの実績と信頼を得なければ成し遂げられないのか。
想像するだけでも恐ろしい。
でも、タルコフスキー監督は、それを実現できる数少ない監督であるということ。
2回目の撮影に張り詰めた緊張感。
見事撮り終えて、冗談を言い合う。
少年に戻ったみたい喜ぶタルコフスキー監督が愛くるしい。
出来上がった作品は映画界にとって財産になっている。
徹底的にこだわり抜いても、画にはエゴが映らない。
そこが彼の作品のすごい所。
今後、日本にもそのような監督が現れることを切に願いたい。