ねぎおSTOPWAR

巨星ジーグフェルドのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

巨星ジーグフェルド(1936年製作の映画)
3.8
アカデミー受賞作品を観よう10(1936年第9回作品賞/主演女優賞)

フランク・キャプラ「オペラハット」をおさえての作品賞受賞!
当時としては非常に長い177分!

フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアとはブロードウェイで活躍した実在の舞台プロデューサー。この受賞の数年前に亡くなられたんですね。・・それにしちゃあ伝記にするの早くない??と思いました。
ジーグフェルドさん、1929年の世界大恐慌で持ち株ボロボロにされて大変なことになっちゃったそうです。奥さんで女優のビリー・バークは彼が残した借金でその後大変な生活を送ったようです。となると、遺族は少しでもお金が欲しかっただろうし、映画化の話があれば飛びついてもおかしくはないよなあと。
映画や舞台ってバクチですよねー。今でこそ委員会制度などでマシにはなりましたが。


この作品は中盤の舞台の再現がすごいですよ!

以前仕事で関わったからなんとなくですけど、映画の制作費も結構ここかけたと思いますよ。
たぶん撮影のために結構広めの劇場押さえてると思うんです。これスタジオだったら、ホールが備える吊バトンや昇降機などの機構を作るだけでまた大変な話。舞台上の美術セット、舞台装置ってあれひとつひとつ仕込んだんですよねー。
普通、劇団四季でもひとつの作品やるのにそれ用の装置組んで、幕ごとに出ハケさせるわけで。ライオンキングだったらエンディングの階段を組み込んだ崖のセット、あれが一番巨大だと思います。ただあれも裏で組んで作る仕組みだと思うんですよね。そこと比較すると、映画に出てきた装置が凄い!!
まず塔のようにそびえたち、周囲に階段がついて、さらに円形に幕の昇降ができるようにしてそれも一緒に回転するセットはごつい!!
そして高輪プリンスのなんとかの間の入り口にあるような半円の階段、その中央に斜になった円形舞台が人間が乗った状態で回転する装置、これまたごつい!!
さらには4つか5つに縦に分岐してせり出したり引っ込んだりする装置、これ相当奥行きいりますよ(これはスタジオかも)。
んで、セットだけじゃなく、実際ステージやった想定で、そこで歌ったり踊ったりするわけですよ。その練習だってバカにならないと思います。
とにかくあれもこれも映画のためだけに作ったとしたら、いやあもったいない!再現ステージお客入れれば良かったんじゃないかって!その手間とお金はジーグフェルドさん並みにかけたと思いますよ。

カラーだったらなー、その華やかさってよりリアルでしたよねーー。