薪

マルホランド・ドライブの薪のレビュー・感想・評価

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)
4.6
これはリンチの最高傑作と思う。彼の外連味がギリギリのラインで映画的に結合している。
驚くべきは、普通にサスペンスとして中盤までが面白いこと。もちろん終盤の破綻が醍醐味だが、それがなくても最後まで見たいと思う魅力がある。
特に素晴らしいのはナオミ・ワッツとローラ・ハリングが美しく撮られていることで、二人の関係性と人間性が終盤で逆転するのも見応えがある。オーディションのシーンなんて素晴らしい緊張感。また、ダイナーの一件や場末の劇場といった、いかにもリンチ的な外連味が溢れた断片的なシーンも忘れ難い。
総じて146分釘付けになる最高のエンターテインメント。
薪