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マルホランド・ドライブのNICEのネタバレレビュー・内容・結末

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

夢の町ハリウッドの闇🇺🇸
割と良くある内容だが、リンチの手にかかれば、斬新で幻想的な作品に風変わり。

『サンセット大通り』が一度ハリウッドの栄光を手にした人間の没落を描く映画ならば、今作は最初から栄光を手に入れられない人間の虚しさを描く。
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カミーラ(=理想)に恋をしたダイアン。
前半は現実を脚色した妄想、後半は現実という二部構成。

前半の面白い部分は、ダイアンが自らの存在を消し、ベティという人物になりきっている点、そしてカミーラの存在をリタという架空の人物に置き換えている点。

なぜ置き換えをしたのかは、現実のダイアンとカミーラのままでは、どうしようにも2人が結ばれる構図が思い浮かばないからである。(ここがこの映画の一番トリッキーな部分であり一番切ない部分だと思う)

現実をベースにした妄想の世界。
それを自身で監督をし、2人のヒロインを自身とカミーラでキャスティングをした。ある意味ダイアンは真の役者であった。

劇中の映画の脚本はメタ。
妄想の世界ではダイアン自らとカミーラという存在を消して置き換える。➡︎現実ではダイアンは自殺をし、カミーラを殺害する計画を立てる。
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非常に難解で美しい映画だが、その正体は悲しき"妄想オナニー"の映画でした。
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