塔の上のカバンツェル

マイウェイ 12,000キロの真実の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

3.6
「シュリ」「ブラザーフッド」のカン・ジェギュ監督作品。

朝鮮からノルマンディーまで〜名もなきチャンドンゴンとオダギリジョーの数奇な運命を描く。

作品全体がcodのキャンペーンみたいだった。

「ブラザーフッド」は大好きな戦争映画の一つなんだけども、こちらはやや範囲が広すぎて散漫になった気がする。
ww2映画は腐るほど競合があるので、埋もれてしまったとも。
独ソ米日軍の軍服が一作品内に詰め込まれているロマンは理解。

ただ相変わらずのジェギュ監督組のチョン・ドアン率いる特殊効果製作会社デモリーションが手がける火薬量はアッパレ。

特質すべきは、ノモンハンの戦いを映像化した数少ない作品であり、快速BT戦車の大軍や、モンゴル軍といいつつ明らかに白ロシア系の兵士(ソ連軍人)など…。
一緒に観に行った中学生時代の大日本帝国オタクの友人は大はしゃぎだった。

一方で、ノルマンディー上陸作戦は、派手さはあるものの、大味気味ではあったかなと。
史実だと米軍の空爆は内陸部に集中し、沿岸の要塞群にダメージはなかったためなのと、101空挺師団の空挺は夜間に行われているため。
砂浜に展開しているのが、オダギリジョーらを含む、インド系の外国人部隊だったりワンポイントが気が利いてる〜

作品を総括するなら、ミリオタのニッチな夢みたい企画だったかなーと。

【参考文献】
公式パンフレット