Yoko

ニーチェの馬のYokoのレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
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御者に鞭で叩かれた馬を抱き発狂したニーチェ。
誰も知らない馬のその後に着想を得た作品。


<物語が無い物語>で描かれた「受難」の映画なのか?
父娘の貧しい暮らしぶりを残酷なほどに生々しく捉える長回し。
煉獄とも思える、もう二度と耳にしたくもないほど重々しい受難曲。
これまで途方もなく長い時間その生活を余儀なくされ、そしてこれからも半永久的にその暮らしを強いられることが運命づけられているような受難。
人間万事塞翁が馬、不意打ちがモノをいうようになった世界において不意打ちが出来る絶好の機会。
それに手が出せなければ、悲しきかなこの世の中において物語という夢は始まらないのが常なのかもしれない。
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