ハンガリーの名匠タル・ベーラが、ドイツの哲学者ニーチェの逸話を題材に荒野に暮らす男とその娘、一頭の馬のたどる運命を描く。
どことも知れぬ人里離れた荒野の一軒家で、娘とともに単調でつましい日常生活を送る年老いた農民。朝になると娘が起き出して、かまどに火をくべ、井戸から水をくんで鍋に移し、ジャガイモをゆでては、親子が各自それを1個ずつ、ひたすら黙々と食べるばかり。そして、生計の唯一の足しである荷馬車仕事のため、彼らは強風が吹きすさぶ戸外に出て、馬を馬車に繋ごうとするも、すっかりくたびれた老馬はなかなか言うことを聞かず…。
美しいモノクロームの映像は「倫敦から来た男」も担当した撮影監督フレッド・ケレメンによる。
2011年、第61回ベルリン国際映画祭 銀熊賞 審査員グランプリと国際批評家連盟賞をW受賞。第84回アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表作品。
★2012年パームスプリングス国際映画祭
国際批評家連盟賞
★2012年国際シネフィル協会
Best Picture Not Released in 2011
【原題/ A torinói ló】
トリノの馬
英題/The Turin Horse