オーウェン

英国王のスピーチのオーウェンのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.3
この作品は英国王室のジョージ6世の伝記だが、元より持つ吃音症を克服するまでのドラマを描く。
この時代は違うが吃音症は今はしっかりと病気に認知されており、治療も多岐にわたる。

ところが時代は1930年。あらゆる方法で治療を試みるがすべてうまくいかない。
そんな時スピーチ矯正の専門家ライオネルと出会う。

奇抜な治療法など思わず笑みがこぼれそうだが、ジョージにとっては笑い事では済まされない。
人の上に立つものとしては権威を示さなければ面目丸つぶれ。

これは王族に生まれた定めと、吃音症によって運命を狂わされた男。
それを妻や友人のサポートによってひたすらに苦しみながら乗り越えていくか。
だから開戦のためのスピーチがとても感動的に響く。

これは涙を流す類ではなく、見てる我々も王室の一員として固唾をのみながら見守っているからだ。

物語や構成にキャストや美術などどこをとっても一流そのもの。
ウェルメイドとはこういう作品を指す。

どもった話を完璧に時にコミカルに見せるコリン・ファースは正に当たり役であり、王室特有の気品さを兼ね備えているのは登場場面ですぐに分かる。
ジェフリー・ラッシュやヘレナ・ボナム・カーターも素晴らしいサポートを見せる。

国民の一致団結を促すスピーチは日本にも偶然のように当てはまる。
だからこそ素直に内容が入り込んでくるのだろう。
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