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英国王のスピーチのxyzのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.5
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間、イギリスがぎりぎり世界の覇者であった時代の話。
王室や皇室がどのような世界で、どのような生活を送っているのか、開かれた王室と言われる現代でもまだまだベールの向こうだ。1930年代であれば尚更のこと。

そんな時代に英国王になる男を一人の人間として描いていて興味深い。
プライド高く、心が弱く、悩んでいる。
私と同じ人間なのだ。
少年時代のトラウマを大人になっても引きずっている姿が共感を呼ぶし、吃音症を克服する姿はそのままトラウマを克服する姿であった。
相手が王子だろうと自分のスタイルを貫くローグの姿勢も良いな。
そしてそれが友情になっていくのも素晴らしかった。


しかしだ。
政治的な権限は無いにせよ、これから戦争を始めるというスピーチで、その出来具合だけを心配していたが、戦いをまえにした高揚感(良い、悪いは別にして)や国民を戦争に送り出す責任感が全くなく違和感ありまくりだった。
父であるジョージ5世は自国の行く末を憂いていたが、息子2人が気にかけていたのは自分のことばかりだった。
どこまでが史実でどこまでが創作なのかは知らない。
ジョージ5世は父親としてはどうかと思うところもあったが、国王としての格は違っていた。





5月1日の新天皇御即位を意識して観たわけではなかったのだが、図らずも我が国の現His Majestic the Emperor
と次期His Majestic the Emperorの御胸中を慮ることとなった。
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