多タロ

ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強の多タロのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

Zの劇場版としては5作目。
50分という尺の短さながら、悟空&Z戦士たちと悪役・クウラ一味との戦いがすっきりとまとまって描かれているのが好印象。クウラの引き立て役である取り巻き連中の一人一人に対しての掘り下げなどは一切無いのだが、妙に存在感があるように感じられるのは手下の中のリーダー格・サウザー役の速水奨のニヒルな声と演技力の賜物だろう、作中クライマックスを終えてなお、悟空たちに喰いさがる執念の持ち主というキャラクター性もあって非常に魅力的。
そしてとびっきりの最強対最強のタイトルにもなっている今作の敵・クウラはフリーザをもしのぐ実力の持ち主という設定ながら、対する悟空が終盤まで超サイヤ人化することなく舐めプともとれる戦いを繰り広げるため少し気になってGoogle先生に問いかけたところ、本作は原作のフリーザ編終了直後に公開されたものであり、当時テレビシリーズでは悟空とフリーザの決着がついてすらいないタイミングだったとのこと。なかなか本気を出さない悟空の姿はジャンプ漫画のインフレとリアルタイム視聴勢のちびっ子たちへの配慮を天秤にかけた末の製作陣の苦肉の策だったのだろう。
それはそうとクウラの最期、下級戦士と侮ったサイヤ人と自らの爪の甘さを悔いて独白で散っていく演出はなかなかどうしてお洒落。クウラのキャラクターのあって良い映画である。
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