安堵霊タラコフスキー

拳銃魔の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

拳銃魔(1949年製作の映画)
4.8
傑作と評判のこの作品をようやく見ることができたのだけど、確かに俺たちに明日はないより20年近くも前にこんな先進的作品を作り出したのは凄い

拳銃狂いだけどトラウマのため殺生ができない主人公が女にも狂わされ破滅する様を、ウィリアム・ワイラーやフリッツ・ラング並みに卓越した語り口と洗練されたカット割で描く様は目を見張るものがあったが、それだけでなく黒い罠の冒頭並みに緊迫感のある長回しの強盗シーン等全体的に長回しを多めに使用したり車の疾走感をスピーディーなカメラワークで存分に出したりと挑戦的な演出も目立ち、90分感嘆しっぱなしだった

似たような題材の夜の人々よりこっちの方が断然好み(あっちも全然悪くはなかったが)


この監督は他の作品を見たことないのだけど、こんなずば抜けた作品を作った監督の映画ならもっと見てみたい