櫻イミト

二・二六事件 脱出の櫻イミトのレビュー・感想・評価

二・二六事件 脱出(1962年製作の映画)
4.0
日本の軍部ファッショ化の引き金となった「二・二六事件」の裏面史。クーデター軍による首相官邸での岡田首相誤認殺害から、首相救出までの2日間を描く。原作は実際に救出にあたった元・特高憲兵、小坂慶助の手記「特高」(1953)。監督は「点と線」(1958)の小林恒夫。

首相の生存を知った憲兵曹長(高倉健)は人命救助の使命感から首相秘書官(三国連太郎)と共に救出作戦に挑む。。。

史実をサスペンスフルに描いていて面白く観ることが出来た。映像・演出・シナリオとも抜群に良い。首相官邸を丸ごと再現したオープンセットも功を奏している。

二・二六事件の映画化は、クーデターを起こした青年将校側が主役のパターンが多い印象だが、本作は将校たちから“殺される側”からの視点で描かれた貴重な一本だと思う。

「機動警察パトレイバー 2 the Movie」(1993)の前半を見ている気分と重なった。
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