佐藤

ティアーズ・オブ・ザ・サンの佐藤のレビュー・感想・評価

3.3
【ブルース・ウィリス主演の特殊部隊もの】

ナイジェリアで内戦が勃発してSEALSがアメリカ人医師を救出しようとするが・・・

一言で表せばご都合主義すぎる。
ストーリーの展開があまりにも現実と乖離しすぎているせいで、アフリカの内戦での虐殺という重いテーマもただの舞台装置であると感じさせられてしまうのがとても残念。

【以降、ネタバレあり】





アメリカ人医師を救出するというミッションは医師とヘリで飛び立ったところで遂行できたはずだったが、いきなりウィリス演じるSEALS隊長が戻って医師を降ろして現地のナイジェリア人難民だけを乗せるように命令する。
何がおかしいかってSEALSの部下たちは隊長の命令だから従うにしても、ヘリの乗員たちはそうじゃないし、命令も理解してるはずだから何も言わずに従うはずがない。
ご丁寧に部下全員に一言ずつ「彼らは荷物じゃない」「彼らを救おう」と取ってつけたにしても薄っぺらすぎる賛同のコメントをさせていて、興ざめを超えてドン引きした。
ここでこの作品の世界では悪玉のナイジェリア反政府軍だけじゃなく米軍にもまともな規律がないのだと理解した。
さらに、難民の中にクーデター前の王政の王子が紛れ込んでいて、上官からは「国際問題になるから置いていけ。ヘリに医師は乗せずに難民を乗せるなんて気が狂ってるのか」と言われるがそりゃそうだよね。

戦闘シーンは元SEALS隊員がアドバイザーをしているとのことでとても迫力があってよかった。
佐藤

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