竜平

ティアーズ・オブ・ザ・サンの竜平のレビュー・感想・評価

3.5
内戦状態にあるアフリカ、ナイジェリアにて繰り広げられる、アメリカ海軍による一人の女性の救出作戦。戦争的ヒューマンドラマ。

あらすじの通りに進む序盤。冷徹な隊長が率いる部隊、まぁ言ってしまえば彼らにとっては普段となんら変わらない任務、なんだけど、一筋縄ではいかないのが映画ってもんで、そこから始まる危機的状況に見入ってしまうこと請け合い。隊長にブルース・ウィリス、救出対象の女医にモニカ・ベルッチと、なんとも情緒ある二人がメイン。紛争地域で目の当たりにする現状だったり、救出する側とされる側の思考の違いや衝突だったりと、ここらへんは見ていて歯痒いし、なかなかシビアな話。いや、どっちの言い分もわからんでもないのよ、であるが故に、見ていてわりとつらい。むごいシーンというのもしばしば。『ローン・サバイバー』あたりにもあったような絶体絶命的な状況にも息を呑む。ここらへんの「信頼」や「良識」といったドラマ、そして後半の怒涛の展開にも心を打たれるはず。難民役の人々、エキストラなどは現地のアフリカ人を起用してるとのことで、どうりでリアリティーがある。アントワーン・フークア作品にたまにある、切なさと熱さが同居したようなシブい内容に仕上がってるんじゃないかなと。

メッセージとして特別何か深いものがあるというわけではないんだけども、良き作品。お暇なときにどーぞ、な一本。
竜平

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