ペイン

すべてが狂ってるのペインのレビュー・感想・評価

すべてが狂ってる(1960年製作の映画)
4.0
デイミアン・チャゼルは改めて鈴木清順及び初期ゴダール&初期カサヴェテスが好きなのだなと。『ラ・ラ・ランド』への影響もそこかしこに。

とにかくポップでモダンでハイカラ!白黒ながら目に耳に楽しい。ずっとジャズ流れてる感じとか、即興感とか、背景のポスターの感じとかもろにカサヴェテス。ただ監督本人は同時代のそういった映画たちをあまり意識してなかったというからまさに天才の所業。

主人公川地民夫演じる次郎に惹かれるヒロイン禰津良子が演じているが、とにかく可愛らしい。木村文乃さん風の顔立ちだが、よりコケティッシュな感じ。終盤の2人の逃避行シーン及び、その際のドライブシーンなんかはニコラス・レイの『夜の人々』なんかも彷彿とした。新人時代の吉永小百合さんや、坂本九さんも端役で出演。

終盤のセリフにあるように、爆走するエネルギー、社会への絶望、背徳の少年を瑞々しく捉えた傑作だ。
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