もこもも

グラン・トリノのもこもものレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.1
妻に先立たれた偏屈な老人と隣の家に住む青年が交流することでお互いに変化していく姿を描いた作品

かっこよすぎるよ...
ウォルトの生き様がかっこよすぎて
ラストは深い感動と余韻が残った
偏屈で怒りっぽくて口が悪いけど、
漢気があって誠実には誠実で返す
心優しいウォルトのことが大好きになった
タオとスーが幸せになってほしいな

自分は嫌われ者やけど世界一の妻と
結婚できたって語るシーンとか、
犬を大事にする姿、床屋の主人との会話、
タオをはじめとするモン族の人達との
交流が深まってからの微笑ましさや
意外と世話焼きな一面など
人の良さやかっこよさに気付いていって
次第に漢ときての憧れも持つようになっていった

鏡の自分に向かってハッピーバースデーって
投げかけるシーンめっちゃ好き
モン族のバーベキューで料理攻めにあったり、
お礼の品を玄関の階段に大量に置かれたり、
床屋さんでのタオのレッスンする所も好き
お礼の品は1回目は邪険に扱ってたけど
2回目の受け入れる姿に心温まった

タオの愚直さに好感を持って
次第に可愛がっていく姿にも心温まる
誇りであり、なによりも大切にしている
グラン・トリノをタオのデートの為に
貸すって言うシーンめっちゃグッときた

「どうにもならん身内より、
 ここの連中の方が身近に思える」

このセリフは『東京物語』と重なるな
ウォルトの接し方が正しい訳じゃないけど
家族も家族でどちらにも非があるよね
ただウォルトに関しては素直な性格じゃないのは
明白やし息子たちへの接し方の懺悔も
聞いたからどうしてもウォルトに同情する
いつもイライラしてたのも戦争でしたことの
自分への怒りや許せない気持ちの
表れなのかなって思うと心傷んだ
タオやスーとの出会いはもちろんやけど、
神父さんとの出会いもウォルトにとって
大切で大きな出会いになったよね

「call me walt」

物語の終盤、報復が繰り返されたことによる
スーのあまりの悲惨な事件には大きな悲しみと
それを上回る強い怒りを覚えた...
真っ暗な部屋で神父さんと話す時の
ウォルトの威圧感というかオーラが凄い
あの時にはもう自分の最期を決めてたんかな...
自分の怒りの気持ちもあって最後まで
ずっとウォルトはヤンキーたちを
殺しにいくもんやと思ってたけど、
観終わってから振り返ると戦争で
人の命の重さを誰よりも分かってる
ウォルトがその手段に出るわけがなかったよね...
ラスト、グラントリに乗るタオに涙が滲んだ

「それさえ守れるのなら、あの車はお前のものだ」
もこもも

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