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歓楽通りのakrutmのレビュー・感想・評価

歓楽通り(2002年製作の映画)
3.4
戦後すぐに公娼制度が廃止されたことで娼館が閉鎖される頃を舞台に、父親が客である娼婦の子供として生まれ、娼館で育ち、大人になって娼館でスタッフとして働く男性が、一目惚れした若い娼婦に献身的で一途な愛情を注ぐ姿を描いた、パトリス・ルコント監督のドラマ映画。

『仕立て屋の恋』や『髪結いの亭主』などで、男性のどこか偏狭的な愛を描いた監督が本作で選んだテーマは、寡黙な男性の無償の愛である。単に都合良く使われているだけのように見えるが、そんなことを承知の上で献身的に女性を支えてこそ、まさに無償の愛と言えるのかもしれない。そんな主人公の男性を演じるパトリック・ティムシットがはまり役である。オールディーズな娼館の雰囲気や、ヒロイン役のレティシア・カスタが歌う主題歌「手のひらに書いてあったから」をはじめとした音楽も楽しめる。レティシア・カスタは可愛らしいけれど、フランスでそれほど人気がある理由が私にはよくわからない。
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