りょうすけ

ダウン・バイ・ローのりょうすけのレビュー・感想・評価

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)
3.3
「ダウン・バイ・ロー」

ラジオDJのザックとポン引きのジャックは、無実の罪で同室に投獄されることとなる。そこに殺人の罪で逮捕されたイタリア人のロベルトが混ざり3人は打ち解ける。そんなある日、彼らは脱獄を計画するが…

しっかり脱獄映画でもあるんだけど、会話劇がメイン。コーエン兄弟の「オー・ブラザー!」は本作を受けているのではないだろうかとなんとなく思った。

元々、映像と音楽の使い方が上手いことがジム・ジャームッシュの特技であり、才能だと思っていたが、全2作に比べても本作は目を見張るものが多いように感じた。

序盤にかかる「Jockey full of bourbon」は本作の主演であるトム・ウェイツの提供曲だが、ジム・ジャームッシュの美しい映像と相まって、序盤のシーンだけでも心が震えてしまった。

脱獄後の地下水道のシーンとか船で川を渡るシーンとか印象深いシーンは多いけど、やっぱり「Jockey full of bourbon」のシーンが一番印象的だし好き。

原題は刑務所のスラングで「親しい兄弟のような間柄」という意味があるらしい。今だったら変な副題が付きそうなものだが、変にタイトル改変をせずに原題そのままを起用してくれた配給会社の人には感謝しかない。
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