劇場版「機動警察パトレイバー」第2作にしてアニメシリーズの完結編
警察と自衛隊
幻想と怨念
現実逃避と責任転嫁
不正義の平和と正義の戦争
変われない。変わりたくない。
気付かない。気付かぬフリをする。
テレビの向こうで誰かが傷つき、殺し合っている、この現状だけを維持したい。
だからこそ、眼前でいざ何かが起こっても、それに気付くのが遅すぎる......。
全てが後手に回り崩壊する文民統制。
ことは1発のミサイルから始まる。
初見は(特に意味もなく)サウンドリニューアル版を鑑賞。前作とは打って変わって終始非常にシリアスな作品に。
1作目も良かったですが、個人的には本作の方が遥かに好きです。予備知識は特にありませんでしたが、骨太なアニメ映画を観たいという日頃なんとなく抱いている願望にドストライクといった感じでした。押井色全開のSFアニメ映画です。
事件への対応が全て後手に回った挙句に政府、警察、そして自衛隊の関係も拗れに拗れ、遂には内戦が勃発寸前になる程緊迫した状況になりながら、尚も平然と通勤通学、不要不急の外出をする人々を写したシーンが突き刺さる。1993年の映画(劇中の設定は2002年)だが、言うまでもなくこのテーマは現代にも通づる。
パトレイバーを知らない人にも本作を強くオススメします。私自身、前作に当たる劇場版1作目以外は何も観ていないので、SFが好きなら予備知識なしでも本作は鑑賞できると思います。
2021年104本目
追記)
古いオリジナル版も鑑賞。こちらの方がさらにリアルでしたね。