KenzOasis

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のKenzOasisのレビュー・感想・評価

4.5
ホラー映画はあまり観てこなかったため、そして本作は恐ろしいと聞いていたので敬遠してしまっていたのだが、ようやく鑑賞してみるととてつもない完成度に興奮した!!!やはり百聞は一見に如かずだ。

まず、ほれほれ怖いぞぉ〜突然出てくるぞ〜みたいなのがないのがいい。静かな恐怖感がたしかにあった。

遺跡発掘で悪霊の像を発見→ジョージタウンで暮らす家族の悩み→悪魔の出現という流れもきちんとしていて、不穏な雰囲気も常に感じさせている。

科学で何一つ太刀打ちできず、悪化するばかりの状況。藁にもすがる思いで、今やひと知れぬものとなった悪魔祓いに頼る。
リーガンという少女に悪魔が宿ることになったのは不幸な偶然だが、登場人物たちがつながることになったのには不自然さがない。ここがうまい。
(「神父なんで遺跡発掘しとんねん」というのは思ったが)

病院での診察が何も功を奏することなく、だが確かに少女に不可解な症状がある感じで、「こいつ狂ってるのでは……」という程度から地獄へ落とす流れも見事だった。

全体を通して非常に良くできた名作だった。

個人的には、カメラワークが好きだった。冒頭で少年が発掘現場を駆けるのを追いかけ、足の間越しの神父というカメラワークや夕陽のカット、メリン神父がリーガンの元へやってくるシーンなんか芸術的。

リーガンの首がぐるりとまわったり、ブリッジで階段降りてきたりといった化物演出はもちろん素晴らしい。イスがふっと動いて逃げ道を塞いだり、引き出しがスッと拓くとか、ポルターガイスト現象を随所でうまく使っているところもよかった。
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