タラコフスキー

浮草物語のタラコフスキーのレビュー・感想・評価

浮草物語(1934年製作の映画)
4.5
傑作。
ひと所に落ち着くことなく旅を続ける坂本武は、『捜索者』のジョン・ウェインのようだ。女をやたら殴る暴力性も、『捜索者』っぽい。
線路を挟んだ三井弘次と坪内美子の逢瀬のシーンが素晴らしい。線路脇で並んで喋っているところに汽車が通りかかり、二人の将来についての話が始まる。そして女が最初は男を騙そうと近寄ったが、愛してしまったのだという告白のシークエンスの線路を挟んだ二人のショットの素早い切り返しの応酬、そのリズムが凄まじい。結局二人とも線路の向こうに行き、画面外へと消えるシーン終盤も見事。
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