ながの

浮草物語のながののレビュー・感想・評価

浮草物語(1934年製作の映画)
4.4
神保町シアター「フィルムでよみがえるーー白と黒の小津安二郎」
ピアノ伴奏:神﨑えり

サイレント+フィルム上映+ピアノ伴奏の組み合わせが、身震いするほど本当に良かった。90年も前の映画が、こんなにも現代に生き生きと蘇るのかと驚いた。映画の「音」「台詞」が実はかなりノイズだったということに気付けたのも収穫。

戦前の小津映画は初めて観たのだが、所謂小津っぽさがまだ熟成される以前なので、個人的には戦後の作品よりスマートで見やすい印象があった。今作に限って言えば、リメイク版の「浮草」より好きだった。突貫小僧の暴れっぷりも見どころ。

あと、最近立て続けに戦前映画を見て思うのは、登場する女性がみんな現代的で可愛い。特に70年代〜80年代の映画やドラマの女性は昔っぽさを感じがちなのだが、この頃の映画の女性はメイクも顔立ちも素朴で可愛らしく、古さを1ミリも感じない。今作だとおとき役の坪内美子さんがとても可愛い。
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