TV Brasil

ブラジル大使館後援のシネマ・ノーヴォの特集上映の一本として、本当に久しぶりに、グラウベル・ローシャの映画が映画館で見られるというので、張り切ってみてきました。

グラウベル・ローシャの映画は、『アントニオ・ダス・モルテス』と『黒い神と白い悪魔』の上映を遠い昔見たことがありますが、どちらも、訳がわからないながらも、とても引きつけられました。

中南米の土俗性と左翼思想と前衛芸術が融合した不思議な世界は相変わらずですが、この映画はブラジルにいられなくなってスペインでとった映画とかで、判りにくさはさらに高じており、まるで、同じ時代のラテンアメリカや中近東の現代詩を映像化したかのような世界（といっても、この映画で使われるのはスペインの古い俗謡だとか）が繰り広げられますが、きちんとプロの俳優を使っているらしく、役者の動きは決まっていますし、構図も美しいので、疲れていなければ、居眠りせずに見ることは難しいことではないと思います。

音が今一つで所々割れていたりすることと、本来、実際の政治的事件や人物に関する当てこすりに満ちているはずの内容であるはずなのに、事情に疎くて具体的な背景が判らないのがとても残念なのですが、それでも、ブラジルだと風刺はこういう方向で出てくるのか、位のことは見られて面白かったです。

ゴダールやテオ・アンゲロプロスの映画を彷彿とさせるシーンも出てきますが、後者に関しては、こちらが本家です。

（途中気持ちよく眠ってしまいましたが・・・ 2011/2/15記）

これはキッつい。