これで、かつて「シネフィルは絶賛するが見る手段がなかったTOP3」全部見れた。
順に
『はなればなれに』→ラフなゴダールらしさが可愛くパッケージングされてて、今見て取り立ててどうということはないが部分部分に後世への影響力の高さはわかる。
『ラルジャン』→まごうことなき傑作。
『ハズバンズ』→今見てもシーン単位の密度は凄いが、おっさん達のホモソをこの密度で描かれてもしんどいだけ。女性たちの視線や表情が相対化してるというアリバイはあるが、そのアリバイによって本当に女性たちがモノ化してる不快感。
ハスミンの吹かし抜きにこの映画初めて見て本当に絶賛したか?ってシネフィルのみんなに問いたい。
同時に、相米、ロメール、一部トリュフォーなどにも同様に感じる完全には乗りきれない「くどさ」の正体をやっと把握できてきた気はする。
男たちの強熱に寄り添っている即興めいたカメラが不意にそことしか言えないショットに移り変わってるマジックは事実凄いと思う。境目がわからない。バスケのシーンはどういう段取りで撮ってるの?
ピーター・フォーク(こういう役者だったのかコロンボ)、ベン・ギャザラの怪演によりむき出しの有害中年男がそこに捉えられてしまう不気味さに比べて、役者としてのカサヴェテス本人は「カメラの中心で演技しているO・RE」を意識した陶酔型の芝居に見えてクサいのもやや乗りづらい原因かもしれない。
俺はともかく東京の良い大学入ってわざわざ映画の授業を取ったりしてる人間の映画の見方が映画の一般的な評価軸になんか絶対になりえないと思っているド偏見を抱えているので、そのあまのじゃくが久々に顔を出した。
しかし逃げ場のない映画館でこの映画に出会ってノンストップで見たとしたら、また評価は違ったような気もする。