りっく

アミスタッドのりっくのレビュー・感想・評価

アミスタッド(1997年製作の映画)
4.2
言葉も通じず、互いにいがみ合っていた人間たちが、法律上の言語ではなく、あるひとりの人間の「物語」によって心を動かされ、それが国の歴史をも動かす力強い一作。あくまでも個人の尊厳や力強さを見つめ、それに応えるジャイモンフンスゥの迷いのない鋭く力強い眼が印象的。奴隷の拷問描写は目を背けたくなるほどだが、だからこそ人間の強さが立ち上がってくる。

行政と司法が独立していないと、国の思うがままの裁きが下される。そんな危険な国に一体誰がしてしまったのか。歴史の浅いアメリカだからこそ、そういう時に建国の精神に立ち戻り、世論を突っぱねるような強く尊い意思が、スピルバーグ映画だ。それを体現する元大統領役のアンソニーホプキンスも名演。
りっく

りっく