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レック2の消費者のレビュー・感想・評価

レック2(2009年製作の映画)
3.7
・ジャンル
POVホラー/ファウンドフッテージ/ゾンビ/エクソシズム

・あらすじ
スペインのとあるアパートの中で発生した奇妙な伝染病
事態を重く見た保健省と警察によってそこは閉鎖され、最後に入った衛生検査官からの連絡も途絶えてしまった
そして現場へと新たに派遣されたSWATの面々と政府の寄越した専門家であるという博士、オーウェン
静けさが支配する血にまみれたアパートの中でやがて彼らはウイルスにより凶暴化した人々と次々に出くわしていく
事情を深く知っている様子のオーウェンに強く問いただすSWATのチーフ
しかし彼の口から明かされたのは闇に葬られてきた驚くべき真実だった…

・感想
POV/ファウンドフッテージ/モキュメンタリー強化月間DAY-29
いよいよ月間最終日…!
長かった1ヶ月のラストを飾る今作は圧倒的知名度を誇るPOVゾンビホラーの金字塔「レック」の続編
リポーターのアンヘラ達を襲った惨劇のその後が描かれている

前作はレビューでも書いた通りかなり前に鑑賞済みではあったものの記憶が朧げで見直してみると想像以上に良く出来た作品で驚かされた
その名作から話が繋がっているので期待して鑑賞
POVを全面的に活かしたカメラワークやゾンビの脅威の生々しい描かれ方、そして前作終盤で明かされた悪魔憑き要素が絡んできた事による話の広がり
それらの部分はかなり健闘していたと思う
ラスト間際でのどんでん返しも前作の結末が振りになっていて悪くなかった

ただ前作の様にアパート内での対立が今作でもあったんだけどそれがちょっと薄味な感じ
解毒剤を作る事を最優先とするオーウェン
生存者の捜索と無事脱出する事を望むSWATの面々
そこでぶつかり合う事自体は何ら不自然ではないけど前作で見られた様な人間の醜さ等が見られず異なる正義感の衝突に終始してしまっていたので新鮮味に欠けた
展開としてゾンビ作品あるある過ぎて…
また後半の若者達と感染した少女ジェニフェルの父がアパートに侵入して以降のパートも新たな登場人物が投入されたにも関わらず結局オーウェンの任務に利用されるだけの存在としてしか機能しておらず期待外れ
感染者を操り悪魔が話す、という新展開が面白かっただけに惜しい…

また前作では目まぐるしく発生する問題を上手くスムーズ且つ自然に展開させていたのも良かった点だった
しかし今作では大体がSWATや侵入者等の凡ミスが元凶のトラブルばかりだったのが何とも…
奇病の伝染によるゾンビ発生という所から更に事態のスケールは拡大されているのに起こる事が小さ過ぎるし揉め方もずっと同じだし…

良かった部分としては前述のいくつかの点以外だとウイルスの根源である少女メデイロスの成れの果ての姿が前作以上に鮮明に見られて、ちゃんとそのビジュアルが人間だった物としての面影を残しつつ気持ち悪かった事
そしてオーウェンの声で無ければ脱出許可を得られないというずっとあり続けた問題の打開のされ方
このへんくらいかな…
1本のPOVホラー及びゾンビ作品として決して悪い出来ではないんだけど1作目が良過ぎた分、蛇足に感じてしまったのが否めない
ウイルスの謎は大体前作の時点で明かされていた訳だし…
そんな感じなのに4作目まであるって不安しか残らない…w

とりあえず今作の感想は以上
ここからは強化月間で特に気に入った作品について、一覧にすると…
1. レイク・マンゴー
2. Atroz
3. Home Movie
4. Horror in the High Desert 2: Minerva
5. トンソン荘事件の記録
6. ラスト・エクソシズム
7. Megan Is Missing
8. The Last Broadcast
9. V/H/S ネクストレベル
10. V/H/S/94
11. V/H/S/85
12. レック
中でも特に良かったのが…
「レイク・マンゴー」の不気味さの演出
「Atroz」のゴア&不快描写と胸糞な展開
「Home Movie」の得体の知れない狂気
「トンソン荘事件の記録」の悲哀
「Megan Is Missing」の人間の醜さ
「The Last Broadcast」のどんでん返し
「V/H/S」シリーズのそれぞれ振り切った世界観
「レック」の圧倒的に作り込まれた内容
という感じ
計29作観て約半分は当たりだったので結果としてはまずまずかな、と
軽はずみに始めた事だったけどなかなか骨の折れる企画だったのでとりあえず「レック」シリーズを完走したら自由に選んだ作品を楽しみたい…w
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