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ゲット・ショーティのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ゲット・ショーティ(1995年製作の映画)
4.3
映画『セルピコ』でアル・パチーノが着ていたものと同じコートを愛用するほどの映画マニアでマイアミの借金取り立て屋チリ・パーマー(ジョン・トラボルタ)は取り立てに乗り込んだLAで、B級映画プロデューサーのハリーと意気投合し、地元のギャングたちをだまして得た資金で映画を製作しようとするのだが、この新作が金になると睨んで群がったヤバい奴らやチリの上役を巻き込んで映画制作は思わぬ方向へ。
映画マニアの借金取り立て屋が、仕事でハリウッドに赴いたことから巻き起こる騒動をコミカルに描いた業界内幕コメディ。
ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デビートなどなどの演技派俳優が演じる一癖も二癖もある連中が、エルモア・レナードの原作ストーリーを『MIB』などのバリー・ソネンフィルド監督のスタイリッシュな演出を経て、映画マニアには抱腹絶倒の会話やシチュエーションを連打していくのだから、もうたまらない。
小粒ではあるがピリッとした味わいのとりこになること必至の、何とも素敵で快感極まりない、イキな作品である。
必要以上に手荒なことはせず、頭のキレる映画マニアの取り立て屋チリ・パーマーを演じるジョン・トラボルタのクールな魅力が、群を抜いています。
つまらない意地の張り合いがまかり通るギャングと海千山千の連中が跋扈する映画界の世界をユーモラスに描き、洗濯屋がたまたま墜落した飛行機に乗らずに済んだために借金を踏み倒そうとしたエピソードや言い回しを間違えるギャングやパーマーがお気に入りの映画を見ながら一緒に好きなセリフを言って楽しむシーンやパーマーが演技論を通じてスターを説得するシーンなどオフビートでこじゃれたシーンの連続で、「バルブフィクション」のような映画愛に満ちたコミカルなフィルム・ノワールです。
トラボルタとレネ・ルッソの恋やダニー・デヴィートやジェームズ・ガンドルフィーニなどの特別出演もいいアクセントになっています。
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