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春夏秋冬そして春のIPPOのレビュー・感想・評価

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)
3.4
『弓』に続いての未鑑賞のギドク作品。
ギドク作品は後期になるつにれ社会風刺や獣的セックス描写に胸焼けしそうになるが、本作はギドクが映像作家として伝えたかったテーマがシンプルに落とし込まれてる印象。

都会の人間は欲にまみれて愚かなことよ
欲を捨て、自然を感じ己と向き合い真摯に鍛錬せよ
と言った宗教的価値観とマッチョイズム。
それがシンプルに伝わってきた。

水上の古びた寺院。老僧と暮らす1人の少年の人生を春夏秋冬でパート分けして描き、全ては少年期の悟りに繋がっていることを示す。ギドク自身も冬パートで自ら登場!(ギドクのPVへと昇華していて少し笑える)
夏パートの青年期の主人公を演じたのは『トンマッコルへようこそ』で青年兵を演じたソ・ジェギョン。性欲を抑え切れずムラムラしっぱなしの姿がなんともいじらしいことよ。笑

ギドク作品で一番まともに見えました。
ただ、水上ファンタスティックミラクルストーリーかつ独創性×芸術性では『弓』が勝ちます。
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