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ブラッド・ダイヤモンドのnaoのレビュー・感想・評価

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
5.0
衝撃だった。アドベンチャー大作だと思っていたら、深刻な内戦を背景にした不法な取引が描かれていた。これを観ると、映画とは何かを伝える手段、メディアの一種であり時に実際のニュース以上に鋭く観客の心に斬り込む手段であるのだと感じさせる。またこれは氷山の一角なのだとも思う。特にジャイモン•フンスー、彼の演技がオスカー候補の考慮の範囲にないのなら、それは賞の妥当性を疑う時だ。それほど素晴らしかった。

映画自体は希望を探す物語だ。ピンクダイアモンドに取り憑かれた人々と、彼らに翻弄される人々の、暴力的で悲劇的な映画だとも言える。レオナルド•ディカプリオの白人/アフリカ人役は十分な説得力を持っていた。彼の演技は凡庸性が高いとも言われているが、私たちがレオナルド•ディカプリオを”ジャック•ドーソン”としてスクリーンで目撃して以来、彼は考えうる限り最高の方法で、娯楽として一瞬で過ぎ去るものとしての映画を、より長期的に人々の記憶に残るものとして変えてみせたと感じる。そして何よりダイアモンドの暗黒面の象徴としてのRUFと、彼らによって洗脳された少年兵士が印象的で、現地の悲惨さが鮮明に浮かび上がってくる。ジェニファー•コネリーも主演2人より役割は小さいながら、それを最大限に活かしていた。彼女のキャラクターは理想主義のジャーナリスト。特有の知性が光っていたと思う。

'a moment of love, even in a
bad man, can give meaning to a life...’

エンターテイメントであり、搾取の告発でもある。レオナルド•ディカプリオの長年に渡るキャリアの中でも、この作品は最高の映画だ
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