LEONkei

狂気の行方のLEONkeiのレビュー・感想・評価

狂気の行方(2009年製作の映画)
2.5
1979年にアメリカはサンディエゴの閑静な住宅街で起きた、〝実母殺害立てこもり事件〟の実話を元にした作品。

母親が息子に言った最後の言葉『My Son, My Son, What Have Ye Done(息子よ、何てことをしたの)』が原題となっているように、異常なまでに息子を溺愛し手塩にかけて育てた息子に何故殺されなければならなかったのか…。

製作デヴィッド・リンチ、監督ヴェルナー・ヘルツォーク、実力派俳優マイケル・シャノンにウィレム・デフォー、グレイス・ザブリスキーとくれば、重厚で深く濃厚な事件物と期待したが少しイメージが外れた。

カラッとしたサンディエゴの乾燥した空気を漂わせ、色彩を抑えた全体の乾いた映像はピリピリと張りつめた息子〝ブラッド〟の複雑な心理と重なる。

息子に対し異常なる愛情を注ぐ母親役〝グレイス・ザブリスキー〟は、デヴィッド・リンチの『ツインピークス』でローラ・パーマーの母親役も演じているが個性が強烈。

子供を育てるという事は難しい。

厳しいから良いという訳でもなく、甘いから良い訳でもない。

子供の自主性を尊重させれば良い訳でもない。

人が人を育てることは難しく、例え評判の教育評論家やママ友など良いとされる育て方を真似しても、子供(人間)に個々の人格がある限り子育てに正解はない。

未熟な幼い子供段階では親の影響を受けながら人格形成されるもので、改めて自分の両親について考え現在の自身を振り返り感謝する..★,
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