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最強のふたりのmanamiのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
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私は「先生」と呼ばれる職に長年就いているけど、自分に優れているところがあるからそう呼ばれるわけではない、「先生」というのは「先に生まれただけの人」という意味だと、常々自らに言い聞かせている。
ともすれば「〜してあげている」という錯覚に陥りそうな立場だからこそ、謙虚かつ公正であり続けなければならない。
その意識を突き詰めるとこうなるのかもと、二人を見ていてそんなことを思った。もちろん彼らは意図的にそうしているわけでなく、あくまでもありのまま。それがつまり、最強ってことなのかな。
ただし原題はIntouchables、「交わることのない(二人)」という意味らしい。社会的地位も環境も交友関係もとにかく何もかもが違っていて、関わることなく其々の人生を終えたとしてもなんらおかしくなかった二人。
でも、二人は出会ったのだ。一人は何の因果か彼の面接に訪れ、もう一人はどういう風の吹き回しか彼の採用を決断したのだ。
相手の良いところも悪いところも、真正面から擦り合わせていく中で、労働者と雇用主という枠を越えていく様が、とても鮮やかで爽快。サプライズじゃないサプライズパーティーで、みんなの注目を浴びながらダンスしているのを見つめる姿は、なんだか誇らしげに感じられる。
社会情勢的に、友人と気楽に会うこともままならない今、今作を見てより一層、友人達に会いたくなりました。

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