Violet

最強のふたりのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

音楽と芸術に溢れた作品。
Septemberが流れたオープニングからテンションめっちゃ上がったし、フィリップの誕生日パーティーでドリスが踊り出すシーンは最高すぎて涙出てきた。
下ネタは多めだけど声出して笑っちゃうシーンがたくさんあって、心が温かくなった。

「体の痛みは感じなくても、心の痛みは感じる」
そう言ったフィリップの言葉が印象的。
体の痛みには鈍感でも、心の痛みや息苦しさを感じ取る。フィリップに「同情」することなく、1人の人間として対等に触れ合うドリスと過ごすことで、フィリップの発作の頻度は減っていき、表情もどんどん穏やかになっていく。お互いにお互いを尊重し、影響し合うようになる。この過程が優しく愛おしい。

フィリップの首から下が麻痺してしまった理由はパラグライディングだったけれど、映画の後半ではフィリップはドリスと共に再度パラグライディングに挑戦する。過去の精算をしたような穏やかな表情のフィリップと美しい大自然が素晴らしくマッチする名シーン。人は辛いことがあるとそれに関連するものまで嫌いになってしまうことが多いけど、フィリップのように辛いこととは切り離して考え、それ自体を好み、楽しむことができる心を持ちたいと思った。

ドリスはいつもふざけたことばかり言ってるけど、誰よりも人の変化や状態に敏感。イヴォンヌに「薬を飲むくらいなら労わるほうが良い」と言うシーンはそうしたドリスの性格を物語っている。

超がつくほどのお金持ちのフィリップと、貧しい暮らしを送る移民のドリス。
フランスで暮らす真逆の2人が生涯の友となり、さらにこれが実話だなんて。すごいなあ。
まさに「最強の2人」!
自信を持って人に勧められる名作。
Violet

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