月うさぎ

スノーホワイトの月うさぎのレビュー・感想・評価

スノーホワイト(2012年製作の映画)
2.0
「スノー・ホワイト」ではなく「スノー・ブラック」か?「本当は怖いグリム童話」ってシリーズはもう結構。と思いました。
「闘う白雪姫」という触れ込みでしたが、戦うというレベルではないです。
最後にただ甲冑姿になって城に攻め込むだけ。

「ロード・オブ・ザ・リング」を目標に、スケールの大きな戦闘シーンのあるファンタジーを作りたかったという監督の野望はよくわかりました。
でも結局はモノマネ。「ネバー・エンディング・ストーリー」と「もののけ姫」と「ナウシカ」

白馬が泥に足をとられて動けなくなるところでは「アルタッ~~クス!!!」と叫びたくなり、シシ神さまそのものとしか思えないシーンでは「ダイダラボッチ出現か?」と身構えました。

王子が2人ってなんですか?続編で二股の愛に悩む白雪姫でも描く予定なんでしょうか?
女王の弟も悪役として迫力不足です。だってバカなんだもん。

7人の小人の見せ方も気になりました。醜いんですよ。
同年に公開された「白雪姫と鏡の女王」と比較すれば、この映画の美意識の酷さは差別的ですらあります。

唯一褒められる点は、悪の女王ラヴェンナです。
シャーリーズ・セロンの迫力は他を圧倒していました。
演技も映像も彼女に関してはすごかったです。美しくなったり老けたり、痩せたりふっくらしたり、変幻自在です。

でも、役者だけが取り柄って映画の評価としてはいかがなものでしょう?

魔法の「代償」という部分も深く掘り下げれれていませんし、非情な魔女の少女時代が描かれる分、疑問が深まるだけです。

映画の良し悪しの大部分は脚本によるものなんですよね。
白雪姫には実はすごいパワーがあるとか、女王が白雪姫をどうしても手に入れたい納得できる理由とか、何もないです。
女王は何がしたいのでしょう?
権力を手に入れて、魔の戦士たちを操って、人を恐怖に陥れて、何が得たいのでしょう?
全然それが伝わってこないんですよ。
若さを保つため?それだけ?
「女の美は結局は若さが全て」と言いたいのでしょうか?酷い主張ですよね~。

そもそも王をあっさり殺すような女なのに、白雪姫を殺さないで幽閉しておく理由がない。
私だったら王と一緒に姫も殺しちゃいますけどねえ。王位継承者を生かしておくなんてセオリーに反しています。

つまり脚本がおそまつなのです。B級映画以下です。
話も完結しないで続編に続くみたいだし…

大体白雪姫があまりきれいじゃない。
肌が美しくない。それと前歯の2本がでかすぎて品がない。口を開くと歯が気になります。衣装も黒くてボロボロの服だし、それだって見せ方がもうちょっとあるでしょう?
本当は美人の女優さんなのにこの演出はどーゆー事?!!

この映画を評価する人はまず100%「女王役」をほめることでしょう。
そーいう映画です。残念ですが。
月うさぎ

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