未来世紀ブラジルのKのレビュー・感想・評価

もしこの作品についてコラムを書くとしたらタイトルは「クリスマス中止のお知らせ」にする。ロマンチシズムを原動力として荒唐無稽な物語を半ば無理矢理といった体で駆動させるこの感じ、既視感があると思ったら幾原邦彦だと割と最初の方で気付いてからはイクニ作品を観るノリで楽しめた。生き物のように呼吸し唸りを上げるダクトの気持ち悪さといい、すぐそこで爆破テロが起きてもほとんど動じずに見た目はカラフルな吐瀉物といった趣きの化学的に合成されてるっぽい料理食べる人々といい、ディストピアの中でもかなり最悪な部類に入るディストピアっぷりに幸福な頭痛がした。