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やがて来たる者へのeのレビュー・感想・評価

やがて来たる者へ(2009年製作の映画)
3.9
第二次世界大戦を描いたイタリア映画。

イタリアは枢軸国側だったがムッソリーニ失脚後はドイツに軍事占領され、以後は古今東西のあらゆる戦争で見られるように占領軍と国内ゲリラの戦いが始まり、否応無しに民間人も巻き込まれていく。ナチスの虐殺はユダヤ人だけではなく、抵抗分子やパルチザン狩りに伴う民間人の殺害も大規模に行われていた。日本軍が中国や東南アジアで民間人を殺しまくったのもゲリラに悩まされたからだし、ゲリラ戦はまさしく戦争の悲劇を生む代表的なもののひとつだ。

映画の多くはドイツ占領下での山村の日常風景。時々現れるドイツ軍は、最初は物を買いにきたり食事をしたりして帰っていくが、その間にだんだんパルチザンの活動も活発になっていく。この映画の題材となった「マルザボットの虐殺」を実行したのは武装親衛隊らしいが、映画でも最初の方に登場するドイツ人は国防軍だが、後半にパルチザン狩りのために現れるのは親衛隊だ。やはり歴史の悲劇を描いた映画ということで、ハッピーエンドは望めないのであった。
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